【解説】フィリピン不動産の固定資産税(Real Property Tax , RPT)についてかなり詳細に解説してみた。

どもです。今日はフィリピンの固定資産税について解説してみたいと思います∠(`・ω・´)

まずは固定資産評価証明について

日本で固定資産税を計算するときには、まず固定資産評価証明書というのが発行されて、これに税率を掛けて計算しますよね。

フィリピンでも理屈は同じです。

コンドミニアムを購入すると、デベロッパーから固定資産評価証明書のコピーを渡されます。フィリピンでは「Declaration of Real Property」という書類がこれにあたります(略して Tax Declarationとも言います)。これに各種税率をかけ合わせていくのですが、まずは、どんな書類なのか見てみましょう。

ややこしいことはさておき、日本人が購入するであろうコンドミニアムの評価証明は下図のように2枚で構成されています。

A.オーナー情報  B.物件情報 C.土地の持ち主について

こんな感じですね。
そして、固定資産税を計算するためにより重要なことは2枚目に掛かれています。

①部屋のスペック、②Market Value、③各種計算、④Assessed Value

はい。ではこの2枚目を見ながら解説していきますね。

固定資産税(Basic+SEF)の税率

固定資産税(Basic)について
そもそもフィリピンにおける固定資産税(Real Property Tax , 略してRPT)は、地方税となっていて、税額は地方自治体により変わります。メトロマニラについては2%、その他の市では1%と定めていることが多いみたいです。ちなみに僕が物件を持っているマカティ市は1.5%となっていました。

固定資産税(SEF)について
フィリピンで物件を購入すると、毎年固定資産税を支払わないといけないのですが、これには上述のベーシックなヤツ以外に、SEF1%というのも一緒に支払うように求められます。このSEFというのは、Special Education Fandsの略称で、日本語に訳すと特別教育基金ってところでしょうか。地元自治体がこの基金を使って地元の学校教育予算組み入れて、教育行政の拡充を図っているそうです。うーん、ちゃんと教育に使ってくれよ~。

というわけで、日本人投資家さんたちが主に購入するであろうマカティ市内のコンドミニアムであれば、評価額に対して、合計2.5%が税率ということになります。

固定資産税評価額について

上図の2枚を見ていただくといくつかの数字が目に入ると思います。僕もはじめはどのように見たらいいのかものすごく迷いました(^^;) 申し訳ないですがフィリピンで目にする見積書とか収支シミュレーションとか、理系人間の僕にとってはものすごく理解しがたいことが多いです(笑)。そんな僕が日本人でもわかりやすい上記Tax Declarationの見方を解説したいと思います。

まず①のところにある数字をご覧ください。個々の数字の合計が固定資産税評価の対象となる面積を表しています。

この例では 35.21+4.79=40.00平米 ですね。

次に、いったん下に行きまして③のところに注目。

すると、(3,166,744,900)って書いてあるのが分かりますか? これは建物全体の取得コストを表します。
桁が大きすぎてよくわかりませんが、日本語で表現すると約31億6600万ペソです。

その下に121,594.86っていう数字もありますよね。これは、建物全体の延べ床面積を表しています。
そして、その上には40という数字も見えます。これは前述の評価対象の面積と等しい数字です。

この3つを組み合わせて、総取得コスト×対象面積÷延べ床面積という計算をしているんですね。

この例では、
3,166,744,900ペソ×40平米÷121,594.86平米=1,041,740.00ペソ

となり、これが上図の②にある「Market Value」になります。

Assessed Valueとは?

ここまではいいですか?
フィリピンの場合は上記の計算で出てきたMarket Valueに税額が掛け合わせるのではなく、そのまえに独特の掛け目を入れることになっています。んで、その掛け目を掛け合わせた結果出てきた数字が、Assessed Valueと呼ばれるものです。

掛け目は以下のような感じで設定されています。

https://www.foreclosurephilippines.com/real-property-tax-rpt-philippines/ より

この例では、31億ペソ超ですから余裕で上限を超えていますね(笑)。
なので、上限値にて設定されている60%を掛け合わせることになります。

すると、1,041,740.00ペソ × 60% = 625,040

となり、Assessed Valueは625,040ペソとなりました。

これに、2.5%を掛け合わせたものが毎年の固定資産税額となります。

簡単に言うと、、

ここまで詳細に解説してきましたが、超簡単に言いますと、Tax Declarationの2枚目の④の数字に2.5%(※自治体によって異なる)を掛けたものと覚えておいてください(^^)。

実際の支払い結果はこちら

※印字位置がずれているため、画像修正して見やすく加工しています(明細部分)。

実際の支払い結果がこちらになります。
合計14,063ペソでした。
僕はこの物件を530万ペソくらいで購入していますので、割合でいうと購入額の0.27%です。

日本の不動産投資における固定資産税負担の感覚からするとかなり安いイメージですね。

ちなみに、フィリピンの固定資産税は年4回支払いが基本です。
しかし、なかなか支払いしない人が多いせいか、多くの自治体で年一括払いを推奨していまして、マカティ市の場合は1月末までに1年分を前払いすると10%の割引を受けることができます。この例でも年間一括払いをしているため、10%分のディスカウントを受けていることがわかると思います。

まとめ

大事なことなのでもう一度言いますね。
フィリピン不動産の固定資産税額の計算方法は、

Assessed Value × 税率 = 毎年の税額   です。
※税率は自治体によって異なります。

例えばマカティ市の物件の場合は、今のところ税率は合計2.5%なので、Assessed Value × 2.5% ですね。

実は、この物件を僕は530万ペソで購入しています。
こうやって紐解いていくと、僕の部屋もデベロッパーが作った当初は大体100万ペソくらいの価値だったってことですねぇ。最近のフィリピン不動産がめちゃくちゃ値上がりしていることがわかります(^^;)。

以上、フィリピン不動産投資における固定資産税について解説してみました。
皆様の不動産投資活動の一助になれば幸いです!

★ぜひ拡散してください(^^)。