【解説】フィリピン不動産を売却した時のコスト(キャピタルゲイン税、印紙代など)について詳細に解説してみた。

どもです。今日はフィリピンを売却したときに掛かるコスト(キャピタルゲイン税、印紙代、仲介手数料など)について解説してみたいと思います∠(`・ω・´)

売買コストの基本情報(概算)

都市によって若干の違いはあるのですが、日本人投資家さんが良く買っているマニラのコンドミニアムを例にとると、概ね下記のとおりとなります。

  • Capital gains tax 6.0%
  • Documentary stamp tax 1.5%
  • Transfer tax 0.5%
  • Registration fee 0.5%
  • Miscellaneous Fee 5万ペソほど
  • Broker Fee 5.0%
    ※入居者がいたらVAT加算される場合あり 12%

上記の数字に「売買価格」もしくは「Fair Market Value(FMV、日本語でいうと適正不動産価格ですかねぇ)」と呼ばれる数字の高い方を掛けた合わせたものが価格コストの概算となります。それぞれの数字について一応はオーナー側が支払うものと買手が支払うもので分かれてはいます。が、実際の取引ではそのつど売り手と買い手で話し合って決めることが多いです。日本人投資家さんにはなかなか馴染みがないFMVCapital gains taxについては後述しますね。

特殊なフィリピンのCapital Gains tax(譲渡所得課税ではなく売却税)について

<日本の場合>

日本や他の先進国で不動産を売却した場合、売買益が出た場合には売買益に対して課税されます。これを譲渡所得課税(Capital Gains tax)といいます。
仮に簿価が1000万円で売却額が1500万円、売却に要した費用が100万円だとしたら、

1500万円-1000万円-100万円=400万円
となり、この400万円が課税対象となります。

個人の所要物なのか法人の所有物なのか、また収益用なのか居住用なのか、そのほか保有期間とか土地建物の比率とか、、いろんな要素で税額は変わってくるのですが、基本的な考え方はひとつ。儲かった分は税金払ってね!ですよね。

<フィリピンの場合>

ところが、フィリピン不動産の場合少し様子がかわります。フィリピン不動産売買においてCapital Gains taxの考え方は儲かった額ではなく、「売却額」もしくは「Fair Market Value(FMV)」の高い方が基準となります。
仮に簿価が1500万円で売却額が900万円、FMVが1000万円、売却に要した費用が100万円だとしたら、この売却額の1000万円が課税対象となります。

簿価1500万円のものを900万円で売るわけですから完全に赤字です。それでもCapital Gains Taxを支払わなければなりません、不条理です(T_T)。

フィリピンは国全体を見るとまだまだ貧しくて、不動産投資ができるのは一部の金持ちと外国人投資家だけです。加えて国全体のインフラ整備もままなっていない状況ですので、不動産売買できるくらいの税金を支払う能力がある人は儲かったかどうかに関わらずガッツリ税金支払ってね!っていう思想なんですよね(^^;)。

Fair Market Value(FMV)とは何か?

前項でフィリピンでは儲かった額ではなく売上高に課税されるとお話ししました。これを聞いて、賢いそこのあなたはこう考えたんじゃありませんか?

「ほんとは1000万円で売るんだけど、売買契約書を2枚作って100円で売ったことにしよう。すると100円×税金6%だから、Capital Gains tax6円で済むやん( *´艸`)」

え、考えませんでしたか(笑)。
でもおそらくこんな感じのことを考える人が後を絶たなかったのでしょう。フィリピンではこういう不正を防ぐためにFair Market Value(FMV)という基準が作られています。日本語に訳すると適正不動産価格って感じでしょうか?このFMVはZonal Valueという数字に専有面積を掛け合わせて計算します。Zonal Valueはコンドミニアムごとにインターネットで公開されていますので簡単に取得できます。

Fair Market Value(FMV) = Zonal Value × 専有面積

です。

Zonal Valueはこちら↓で公開されています。


https://www.bir.gov.ph/index.php/zonal-values.html

<Zonal Valueの調べ方>

例として、日本人投資家さんもたくさん買っているMakati市にあるKnightsbridge Residencesについて調べてみましょう。

1.まずは物件のエリアを探す。

まずはZonal Values – Bureau of Internal Revenueへアクセスします。すると左側にざっくりとしたエリア名が書かれた一覧がでてきますので、目的のコンドミニアム(ここではKnightsbridge Residences)が位置するエリアを探します。
すると下図のように「Noth Makati City」を見つけました。

2.該当エリアのリンクをクリックして、リンク先からエクセルファイル(zip)をダウンロードする。

下図のようにリンク先にエクセルファイルが表示されるので、「zip Excel File」をクリックしてエクセルファイルをダウンロードしてください。

3.ダウンロードしたエクセルファイルを開く

ダウンロードしたファイルを開くと下図のようになりました。
表紙にはZonal Valueの更新履歴が載っています。最新のものを知りたい場合は該当のタブを開いていてください。
下記例では、2017年6月11日に最新版へ更新されていて、Sheet6が最新情報であると書かれています(緑矢印の箇所)

4.該当のコンドミニアムを見つける

たくさんのコンドミニアムが登録されているのでエクセルの検索機能を使って、該当のものを見つけてください。
下記例では、Knightsbridge Residencesを検索し発見しました。Zonal Valueは160,000.00とありました。
これは平米当たり16万ペソの価値があるという意味になります。

5.おまけ(コードの意味)

この表にはコンドミニアム名とZonal Valueと一緒にコードも記載されています。
上記の例では、KnightsbridgeにはRCとCCの2種類のコードが併記されています。
これはそれぞれRC=Rsidential Condominium、CC=Commercial Condominiumの略でして、居住用か商業用かの違いですね。
その他のコードの意味は下記のとおりです。

<Fair Market Valueの求め方は>

上記のような方法で該当するコンドミニアムのZonal Valueを調べたら、あとはそれに専有面積を掛けるだけです。
たとえば、上記のKnightsbridgeの40平米のお部屋を600万ペソで売却するとしましょう。すると、Zonal Valueは平米あたり16万ペソでしたから、

FMV = 16万 × 40平米 = 640万ペソ

となります。

フィリピン不動産の売買コストまとめ

上述のFMVの計算を踏まえまして、Knightsbridgeの40平米のお部屋を600万ペソで売却する場合のコスト計算を実際に行ってみますと、、

  • Capital gains tax 6.0%     → 640万×6%=38.4万ペソ
  • Documentary stamp tax 1.5% → 640万×1.5%=9.6万ペソ
  • Transfer tax 0.5%       → 640万×0.5%=3.2万ペソ
  • Registration fee 0.5%     → 640万×0.%=3.2万ペソ
  • Miscellaneous Fee        → 5万ペソほど
  • Broker Fee 5.0%        → 600万×5%=30万ペソ
    ※入居者がいたらVAT加算される場合あり 12% → 600万×12%=72万ペソ
    ※上記はマニラの例であり、
    あくまで概算です。

これらを全部足すと、、、約89万4000ペソ となりました。
なお、入居者者がいる状態で転売(いわゆるオーナーチェンジ)だとVAT(日本でいう消費税12%)が加算され、トータル161万4000ペソになる可能性がありますので注意が必要です。

売却額に対してのコスト率はおよそ15%となります(オーナーチェンジの場合は約27%!)。

日本での売買では、購入するときにおよそ諸費用は7%でして、売却時は3%ですから、トータルで約10%ほどですよね。
それと比べるとフィリピンでの物件売買は1.5倍ほどの経費が掛かるのです。

これは、、おいそれと買取即転売とかできないですよねぇ(^^;)。

これらのことも踏まえて、フィリピン不動産を購入した場合は気長に購入時の2倍くらいで売れるようになるまで国全体の成長を見守る必要があるのではないかと思います。まあ、新興国(発展途上国)へ投資するってのはそういうことなんですよね。

たとえば冒頭でお伝えしたキャピタルゲイン税に対する考え方なんかは、国際的に見てもモノスゴク不条理です。こういうのもフィリピンが発展途上国だからこそ許される考え方でして、今後、フィリピンが順調に経済発展していって先進国並みに成熟した暁には、一般的な「儲かった分だけ税金を納める」方式に舵を切るのではないかと思います。

投資家としての僕は、フィリピン不動産はその日が来るまでのんびり保有しようと思います(^^)。

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下記のリンク先にてフィリピン不動産売買コスト計算ツールを公開しました(^^)。ぜひ使ってみてください。

【シミュレーター】フィリピン不動産売却コスト計算ツール作りました。

2021年1月31日

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