不動産投資に行うにあたって最初の関門となるのが
「どんな物件を選んだらいいかわからないアタフタヽ(´゚д゚`;≡;´゚д゚`)ノアタフタ」
ということではないでしょうか?
そういう声にお応えすべく開発したのが投資用不動産判定ツール「TREICS」です。
不動産概要書から情報を拾ってフォームへ入力していくだけで、超簡単に投資判定に「最も重要な4つの判定基準」を調べることができます。
このページでは、下記の4つの判定基準について解説していきたいと思います。
もくじ
不動産投資4つの「最重要指標」について解説
「TREICS」で必要事項を入力すると下記のような枠内に指標が現れます。それに準じて説明していきますね。それぞれについて解説していきたいと思います。
「資産価値判定」について
買おうとしている物件の「物件価格」と「積算評価額」の乖離状況を割合で表示しています。計算式は下記のとおりです。
資産価値判定 = (積算評価額×100)÷ 物件価格
仮に物件価格が1億円で積算評価が7千700万円だった場合は、77点となります。積算価格とはわかりやすく言うと「自分で土地を仕入れて自分で新築をして築年数分の時間が経過したとした場合の価格」ですから、100点を超える場合は自分で新築するよりも安く物件が買えるということです。
ただし、土地を仕入れてゼロから新築するには建築途中に建設会社が倒産するリスクや建設費が高騰するリスク、また地面より下の問題(軟弱地や埋設物など)も抱えるため、一般的に中古物件の方が建設リスクを抱えない分だけ割高になります。なので、中古物件でこの項目が100点未満になってしまうことはある意味普通のことです。
ただし、あまりに点数が低いとそれだけ利益が乗せられていることを意味するので、ある程度のバランスを見なければなりません。私の考えでは積算評価は物件価格の7割~8割くらい確保できればいいのではないかと考えています(新築におけるリスクを+30%で見積もってる)。
あと、積算評価は「工事単価」と「路線価」で計算されることが多いですが、一般的にこの2つの数字は田舎に行くほど有利になり、都会に行くほど不利になります。
なので、このツールに慣れてきた方は、工事単価はエリアに応じて変更させることと、土地評価に用いる単価は路線価だけでなく、エリアの不動産屋さんへ聞き込みするとか取引事例を調べるとかしながらエリアの土地坪単価の相場でも評価してみるようにしましょう。
例えばRCの積算評価額を検討するときに、多くの場合に使用される数字に工事単価が「平米当たり20万円」というものがあります。これは坪単価で考えますと坪66万円となります。では、2021年の今時点で東京でRCマンションを新築する場合に工事単価坪66万円で作れるかというと「絶対無理」といっていいと思います。RC新築に詳しい友人によると、安くても110万円くらい掛かるようです。
下記のサイト等に国税局が定める工事単価の表があります。
【国税局】地域別・構造別の工事費用表(1m2当たり)【令和2年分用】
こちらを参考にすると東京の工事単価は平米31.8万円、北海道は平米23.9万円となってます。このように工事単価については地域によって1.5倍くらいの差があり、一律に〇〇円と設定してしまうと見誤ってしまう可能性が出てきますので注意が必要です。
私が自分の投資用に計算する場合はこのような地域性も考慮して、実態に即した積算評価を行うようにしています。
「収益性判定」について
収益性のバロメーターを表す数字に表面利回りがあります。
しかし、利回りがいくら高くても物件が古いと経費が高くついたり、空室が埋まらなかったり、また融資条件(期間や金利)が不利になるなど、実際に手残りするお金が少なくなることがあります。なので、イケてる投資家は表面利回りの高さではなく、購入価格に対する税引き前キャッシュフローの割合で収益性を判断します(^^)。計算式は以下の通り。
税引き前キャッシュフロー率 =税引き前CF ÷ 購入金額
ここに下記の数式を当てはめてみます。
・税引き前CF=NOI-年間返済額
・NOI=満室時賃料×(1-空室率-経費率)
→→ 税引き前CF率 =(満室時賃料×(1-空室率-経費率)-年間返済額) ÷ 購入金額
となります。さまざまな要素が組み合わさって出来上がる数字なので、単純に表面利回りを見るだけではわからないものが見えてきます。
一般的に田舎に行くほど利回りは上がり、また、築年数が経つほど利回りが上がります。もし利回りの高さだけで判断してしまうと「ド田舎の築古物件」を掴んでしまうことになってしまいます。
この「田舎VS都会」を融資の面で考えてみますと、田舎の物件ほど融資はつきにくくなり、また築年数が経つほど融資条件はきびしくなり、一般的に「年間返済額」が上がります。
この「田舎VS都会」を賃貸経営の面で考えてみますと、一般的に田舎の物件ほど「空室率」は高くなり、また「経費率」も高くなる傾向にあります。なぜ、田舎の物件は経費率が上がるのかというと、以下の通りです。
・ひと部屋当たりの家賃が低い反面、原状回復費は都会物件と変わらないから
・ひと部屋当たりの家賃が低いので広告費割合が高くなる
・リフォーム業者間で競争原理が働かず工事単価が高い 。。。など
税引き前CF率はこれらの要素を一通り盛り込んで計算されるので、いろんな物件(田舎VS都会、築古VS築浅)について一律に収益性のバランスを測るのに大変便利な数字です。
なお、同じ物件でも購入時に以下の行動をとると数字が改善します。
・耐用年数を超えて長期の融資を受ける
・LTVを下げる(できるだけ自己資金を入れて融資割合を下げる)
・金利が低い金融機関を選ぶ
・値引き交渉して物件価格を下げる
このうち、「耐用年数を超えて長期の融資を受ける」を選択すると場合によっては信用棄損(評価上の債務超過)につながりますのでご注意ください。また、「多額の自己資金を入れる」を選択すると資金効率が悪くなり不動産投資の最大の利点ともいえる融資によるレバレッジ効果が落ちてしまいます。この辺りの投資効率を優先するか、CF率を優先するか、信用棄損の回避を優先するか問題は、それぞれのバランスを見ながら慎重にご判断ください。
一般に、税引き前CF率はシミュレーションの段階で1%を切ってしまうと、購入後の保有期間中にキャッシュアウトしてしまう可能性が高まります。空室と経費が想定よりも少し上振れしただけでキャッシュアウトしますのでご注意ください。僕の考えでは1.5%はほしいところです。よい物件に出会うと3%を超えることもあるので、このCF率は大事に検討してくださいね(^^)。
「安全性判定 DSCR」について
この数字は以下の計算式で出てくる数字でして、NOIは年間返済額の何倍あるか?という数字です。
DSCR = NOI ÷ 年間返済額
NOIとはいわばその物件の純利益であり、銀行はこの純利益から滞りなくマックス30年間に及んで返済し続けてもらわないと困るわけです。仮にDSCRが1.3だった場合は、この物件の純利益は銀行が確保したい返済額の1.3倍あり、この後、多少空室が続いたり急な出費があったとしても引き続きキャッシュアウトせずに返済しづける余裕がある、とわかる数字になってます。
この数字は高ければ高いほど安全性が高まります(ここでの安全性とは「債務不履行になりにくい状態」ということですね)。1.2(倍)は最低確保したいですね。できれば1.5(倍)以上を目指しましょう。
「投資効率判定 CCR」について
これは「Cash On Cash Return」の略です。ハイレバレッジ派の投資家さんは最も重視する数字かもしれません。計算方法は先ほどの収益性判定(税引き前CF率)に似ていますが、違いは分母が「購入時必要資金」になります。
CCR =税引き前CF ÷ 購入時必要資金
→→ CCR =(満室時賃料×(1-空室率-経費率)-年間返済額) ÷ 購入時必要資金
この物件を購入するときに実際に手出した資金に対して、年間どれくらいのお金を生み出すか?を割合で表した数字となり、感覚的には購入時必要資金(=手出し資金)に対する純利回りともいえると思います(正確には利益とCFは違うので別物ですが)。
なお、同じ物件でも購入時に以下の行動をとると数字が改善します。
・LTVを上げる(できるだけフルローンに近い融資を受ける)
・耐用年数を超えて長期の融資を受ける
・金利が低い金融機関を選ぶ
この中で最も影響が大きい要素が「LTVを上げる(できるだけフルローンに近い融資を受ける)」です。LTVを上げると「年間返済額」も上がりますがそれ以上に分母である「手出し資金」を小さくできるので、この数字は改善しやすくなります。レバレッジ大好きな人はこの数字を重視することで数年で手出し資金を回収し、また次の投資物件の取得に動くわけです。
しかしながらLTVをあげると借入比率が増えるわけですから年間の返済額が上がりNOIは下がります。また自己資金を出さない(出せない)投資家へ資金を貸し付けるわけですから、金融機関から見ると「危ない投資」に映りやすくなります。
それ以外にも、LTVを上げると前述の収益性判定である税引き前CF率は下がるので、やっぱりバランスが大事ですね。
まとめ
以上で解説終わります。
いかがでしたでしょうか?
「残りの指標」の意味についてや、それぞれの判定で出てきた数字について横断的にどのようにバランスを取っていくべきなのか、とかの話題はまた別枠で解説を作ろうと思います。お疲れ様でした(^^)/。
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