利回り8%台でも不動産を購入すべき理由

僕は現在、1年のうちの半分はフィリピンに住んでいて、残りの半分は日本に住んでいます。フィリピンでも日本でも会社を持っていて日々ビジネスに明け暮れています。

日本でいくつか手掛けているビジネスや投資の一つに、不動産投資があるのですがこれは今でも継続的に取り組んでいます。先日もある地域の物件を6000万円で購入しました。利回りは8.5%でした。本当は1億2千万円で2棟一括買いする予定だったのですが、最終的に今回は1棟だけの購入となりました。

(投資用)不動産は利回り12%以上で買え!?

僕は不動産投資に取り組んで約10年になります。

今から5~6年前のころは、サラリーマン大家さんが目指すべき利回りとしては「12%以上くらいが適当である」と言われたもんです。時には利回り15%を超える物件も珍しくなかったと思います。

時代の変化に応じて不動産価格は上下します。
しかし、家賃収入はそれほど変化しません。つまり、好景気になれば物件価格は急上昇しますが家賃はそれほど上がりませんし、逆に不景気になれば物件価格は下がりますが家賃はそんなに下落しません。良くも悪くも不動産価格には景気を反映するトレンドがありますが、家賃収入には景気の良さと連動するトレンドってあまりありません。

ということはつまり、同じ家賃収入1000万円の物件を購入する場合、

利回り10%の物件は、販売価格は1億円で購入できる計算になりますが、
利回り12%ならは、販売価格は8千万300万円に、
利回り8.5%なら、販売価格は1億1千760万円ということになります。

こう見ると購入時の利回りは高ければ高いほど良いですね、それだけ安く物件を買えるわけですから。しかし、売る側はもちろん1円でも高く売りたいわけですから、低い利回り(高い販売価格)で売りたいわけです。

なぜ、(5~6年前は)必要な利回りは12%以上だったのか?

上記の通り、売る方と買う方、売買にあたって指向が真反対なわけですから、お互いにどこかで妥協しないと取引が成立しません。

では、どのあたりで妥協するのが正しいのでしょうか?

その前に、なぜ5~6年前の市況では「利回り12%以上が妥当」と言われていたのでしょうか。
そこから考えてみたいと思います。

そのころの市況では我々サラリーマンにとって、融資を受けることは結構大変な時期でした。年収2000万円くらいあれば別ですが年収500万円~1000万円くらいのサラリーマンが融資を受けて不動産投資を行うにはどうしてもスルガ銀行(金利4.5%)に頼るしかありませんでした。それ以外の銀行で融資を受けたとしてもいわゆる地主さん級の資産がなければ金利は3%を超える水準でした。

現在は逆に日本は今、世界的に見ても稀なくらいの「不動産担保融資」大国です。
一般的なサラリーマンでも1億円以上のお金を1%前後の低金利で借りることができます。

たとえば、金利4.5%で1億円を返済期間30年で借りた場合の返済額はどうなるのでしょうか?

答えは、月額51万円(年額612万円)です。

この形で資金調達した場合、年額で612万円の返済をしないといけなくるわけです。

不動産は購入して終わりではありません。ある意味そこから賃貸経営がスタートし、満室を維持していかなければなりません。やはり物件を数年間保有していくと、常に満室というわけにはいかず、油断すると長く空室が続くなんてことも起こりえます。一時的には物件の部屋数に対して2割空室とか3割空室とかも覚悟しなければなりません。例えば一気に空室が発生したようなときに、銀行は返済を猶予してくれるのかというと、そんなことはありません。空室の具合に関係なく基本的には一定額の返済を続けなければなりませんよね。

そこで重要になってくる指標がこれ「返済比率」です。
不動産投資においては、いろんな指標があるのですが、僕がもっとも重視しているのがこの返済比率なんです。

この返済比率っていうのはどのように計算するかというと、、、

銀行への返済額 ÷ 満室時の家賃収入 = 返済比率

となります。
つまり、「(満室の)家賃収入に対して何割が返済に回るのか?」というのあらわした数字であり、
別の言い方をすると「何割まで空室になってもキャッシュアウトしないのか?」という意味を表します。

どのラインで妥協するのが適切か?というとなかなか線引きは難しいと思いますが、僕の場合は大手銀行からフルローンで融資を受けたとして返済比率が50%を下回ればOKだと考えています。
空室率を50%以下に抑えれば経営破たんしないということですね。

返済比率50%以下を達成するには?

先の例に戻り1億円の物件を購入する場合を考えましょう。
この物件をフルローンで30年の返済で資金調達したときに、
金利4.5%で借りた場合の年間返済額は約612万円でした。

では、1.2%借りた場合はどうなるのか?

答えは年額約397万円の返済です。

その昔、資金調達が容易でなかった頃にスルガ銀行(金利4.5%)で借りた場合に、返済比率を50%に抑えたかったら、いくらの家賃収入があればいいのか、ここから逆算すると、、
612万円 ÷ 50% = 1224万円 です。つまり利回りで換算すると12.24%が必要なわけです。

現在、一般的な銀行で金利1.2%で借りた場合に、返済比率を50%にしたかったら、いくらの家賃収入があればいいのか、ここから逆算すると、、
397万円 ÷ 50% = 794万円 ですね。つまり利回りで換算すると7.94%あればよいことになります。

このように考えると、資金調達が比較的容易で金利1%前後で融資が受けられる現在では、利回り8%台でも十分に「返済比率50%以内」が達成できるので投資先として魅力が出てくるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
不動産投資は人それぞれスタイルも目標も違いますので、上記の考えがすべての人に当てはまるわけではありません。

しかし、市況は常に変化し続けますので、「一昔前に重宝された指標」をずっと持ち続けるのは危険であることは事実です。
その時代その時代に応じた「正しい指標」を模索し、市況の変化に合わせて投資のスタイルも変えていくのが投資家としての正しい姿かと思います。

現在の市況はマイナス金利であり、一般人でも比較的容易に低金利で資金調達できる状態にありますので、できるだけ融資を受けて規模を拡大していくのが良いと私は判断しています。
ではどんな物件を買えばいいのでしょう?

迷った方は個人的にアドバイスも賜りますのでご連絡くださいね(^^)。

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